フクログ

気になる情報をほぼ毎日配信中!

スポーツ

サンフレッチェ広島ファン歴15年の僕が浦和レッズを応援するようになるまで

浦和レッドダイヤモンズ

サンフレッチェ広島ファンの僕にとって、このチームは最も憎きチームだった。赤い悪魔、まさにレッドデビル。

毎年毎年サンフレッチェから根こそぎ良い選手や監督を奪い、チーム力をつける。そんな卑怯な真似をする浦和が大嫌いだった。

おそらく他の広島ファンの方も同じ気持ちだろう。

だが、そんな憎き浦和レッズを僕は応援するようになった。

こんなことを言うと他の広島ファンに嫌われるかもしれない。いや、確実に嫌われるだろう。

しかしそれでも僕はこの記事を書いている。

そこまでして書く理由があるからだ。

この記事では、サンフレッチェ広島のファンになって15年の僕が浦和レッズを応援するようになるまでの気持ちの変化を綴りたいと思う。

Sponsored Link

サンフレッチェ広島のファンになったきっかけ

遡ること15年前、僕が小学生の時、当時所属していたサッカー少年団のみんなで隣の広島県に訪れた。

広島を本拠地とするプロサッカーチーム「サンフレッチェ広島」の試合を観戦するためだ。

初めて見るサンフレのホームスタジアム、通称「ビッグアーチ」のあまりの大きさに驚いたのを今でも覚えている。

僕は当時生粋のサッカー少年だったが、特にJリーグを見ることもなくサッカーをプレーすることに夢中だった。なので、自分はサッカーをプレーできないにも関わらずわざわざ他県にサッカーを観に行くことに興味はなかった。

それでも試合を観に行ったのは、当時サンフレッチェ広島が、近隣の県のサッカー少年団に所属する小学生を無料で試合に招待する企画をしていたためだ。

僕はそれでも興味が湧かなかったが、友達がみんな観に行くというので、自分だけハブられたくないし友達が行くならってことで行くことにした。

だがそんな軽い気持ちで観に行った初めてのプロのサッカーの試合に僕は魅せられた。

Jリーグを見たことがなかったとはいえ、当時は日韓ワールドカップが開催されていた時期なので日本代表の試合は観ていた。

僕たちが観戦したのは、「サンフレッチェ広島vs鹿島アントラーズ」の試合だったのだが、鹿島には当時日本代表だった中田浩二や鈴木隆行ら豪華メンバーが揃っており、テレビの前でしか観たことのない選手たちが目の前でプレーしていることに僕は興奮しっぱなしだった。

「普段テレビでしか観ることのできない選手が今僕の目の前でプレーしている」
現地で感じたこのなんとも言い表せれない感覚は、その後僕が現地でのサッカー観戦にハマるきっかけとなった。

さて、そんな豪華メンバーを擁する鹿島のサッカーに僕は魅せられたのか?

いや違う。

そんな強豪の鹿島相手に必死に食らいついて攻撃を仕掛けるサンフレッチェ広島のサッカーに魅せられたのだ。

試合は最終的に中田浩二の決勝ゴールで鹿島が1vs0で広島を下した。しかし試合は終始広島ペースで、決定的チャンスをたくさん作っていたのは広島だった。

当時の広島の10番は確かチアゴ?という選手だったと記憶している。(背が高くて闘莉王みたいな左利きの外国人選手)
もうかれこれ15年も前の話なので間違っていたら申し訳ない。

そのチアゴがキーパーと1vs1のチャンスを2度ほど作ったが決められなかった。他にも左サイドの服部や森崎兄弟などが積極的に攻撃に参加し、試合のリズムを作っていた。

あの試合から15年たった今でも、これだけ鮮明に当時の試合内容を覚えているのは自分でもびっくりする。それだけあの試合が僕にとって衝撃的だったということだろう。

そう、あの試合をきっかけに僕はサンフレッチェ広島というチームのファンになったのだ。

サンフレッチェ広島のファンになってから

小学生の時に初めてJリーグの試合を生で観戦し広島ファンになった僕は、その後何度も、広島のホームスタジアム、通称ビッグアーチに訪れ広島を応援した。

大学入学を機に上京して以来ビッグアーチに行く回数は減ったが、東京近郊で行われるサンフレのアウェーでの試合、具体的には、浦和レッズ・FC東京・川崎フロンターレ・横浜Fマリノス・大宮アルディージャ・柏レイソルとの試合は何度も現地スタジアムに行き観戦をした。

広島がJリーグを制覇し出場した、クラブワールドカップの試合ももちろん観に行った。

チャンピオンシップ決勝vsガンバ大阪戦のセカンドレグは、試合を見るためだけに東京から広島に帰り観戦。優勝を見届けた。

Jリーグの優勝パレードももちろん参加。

これまで本当に多くの広島戦を観てきたし、広島ファンの方達とも交流をさせていただきました。

広島は森保監督が就任して以来多くのタイトルを獲得してきたが、それ以前は決してそんなチームではなかった。降格争いをするのは当たり前だったし、実際にJ2に降格した年もあった。

良い思い出だけではなく苦い思い出もたくさんあるが、サンフレ中心の生活を送ってきた期間は本当に充実していて幸せだった。

広島から選手を奪う浦和レッズを当時は憎んでいた

ここまで読んでみて、なぜこれほどまでサンフレッチェ広島を応援していた僕が浦和レッズを応援するようになったのか疑問に思う人も多いだろう。

その理由をこれから述べて行きたい。

が、まずはその前に、浦和レッズを応援する前にどれだけ僕が浦和レッズを嫌いだったか。というより、僕に限らず多くの広島ファンは浦和レッズが嫌いだろう。

まあそれは、広島に所属していた選手をお金の力で根こそぎ獲得してきたのだからしょうがないだろう。

柏木に始まり、槙野・森脇・李・西川・石原。ペトロビッチ監督も。槙野や李は一度海外クラブに行ってからの移籍だが、それでも広島にいたことには違いない。

一地方クラブのチームから資金源を頼りにこれだけの選手を奪ったのだから、そりゃ嫌われるだろう。浦和レッズの広島化が進み、「サンフレッズ浦島」なんて揶揄されることもあった。

そんなこともあって、僕もとにかく浦和レッズが大嫌いだった。

大学にいると埼玉出身で浦和ファンの人も多いので、彼らとサッカーの話をするときはムキになって嫌味をたくさん言ったこともあった。

  • あれだけ広島から選手を獲得したけど、結局優勝したのは広島だね〜
  • 大金を使ってむやみやたらに選手を獲得するから浦和は優勝できないんだよ〜

みたいな感じで。

冷静に考えたらかなり性格の悪い嫌なやつだ。

だが、それほどまでに僕は浦和レッズを憎んでいた。

なぜ僕は浦和レッズを応援するようになったのか

僕はそんな浦和を応援するようになった。

一度考えを変えてみると、そうならざるを得なくなったのだ。

これまでは、広島で活躍した選手たちがこぞって浦和レッズに移籍していく気持ちが全く理解できなかった。

  • 結局はお金なのか
  • これまで育ててくれたクラブに恩はないのか
  • なぜファンの応援が荒い浦和レッズに行くのか

いろんな疑問があった。

だが、浦和レッズの熱狂的な人気ぶりを調べるうちに、広島の選手が浦和に移籍する理由が分かった気がする。

その理由とは

  • スタジアム
  • モチベーション
  • お金

この3つが考えられる。

スタジアム

まずはスタジアムの違い。

浦和レッズのホームスタジアムは皆さん知っての通り、「埼玉スタジアム2002」だ。

収容人数は63700人で、日本代表戦のホームスタジアムとしても頻繁に使われる。

これだけの収容人数がありながら、浦和レッズの試合では毎回多くの熱狂的ファンが観戦し、満員近くの収容人数を記録する。

そう、埼スタを真っ赤に染めるのだ。

浦和戦ではないが、これは僕がサッカー日本代表のW杯予選を観戦した際の埼スタの写真。

埼玉スタジアム

埼スタ

画質が悪くて申し訳ない。

埼スタの魅力はやはりサッカー専用スタジアムという点だ。

見ての通り芝は徹底管理のもとで美しく、ピッチと観客席との距離はかなり近い。専用スタジアムではない普通の陸上競技場とは、臨場感や迫力が全く違うのだ。

これは、サッカーをテレビ越しでしか観たことがなかった人は本当に感動してしまうレベル。

それが埼玉スタジアムだ。

一方、サンフレッチェ広島のホームスタジアムはどうだろうか。

広島のホームスタジアムは「エディオンスタジアム広島」、通称ビッグアーチと呼ばれている。収容人数は約5万人。

エディオンスタジアムは、埼スタのような専用スタジアムではなく陸上競技場だ。ピッチの周りをトラックが囲んでいるため、見た目が殺伐としてしまう。そして、トラックがあることによってピッチと観客席との距離がめちゃくちゃ遠い。

収容人数は5万人ほどだが、これが満員になることは滅多にない。観客席がいっぱいになっているのを僕が初めて観たのは、2015年のチャンピオンシップ決勝vsガンバ大阪戦の優勝が決まる大一番だった。

これがその時の写真。

広島ビッグアーチ

やはり観客席が埋まっていることはとても重要だ。選手からしたらそれでモチベーションが変わる。

なのに、エディオンスタジアムで席が埋まることは滅多にない。毎試合スタジアムに来ている広島ファンは何人もいるし僕もそのうちの一人だったが、新規に訪れる層は本当に少ない。

観客席との距離が遠くて観客席はガラガラ、そんな殺風景な陸上競技場。
かたや、毎試合満員で観客席との距離が近く臨場感あふれたサッカー専用スタジアム。

どちらでサッカーをするのが選手にとって魅力的なのか、誰が観ても分かるだろう。

埼玉スタジアムと比べると、どうしてもエディオンスタジアムの酷さが際立ってしまうのだ。

Sponsored Link

サポーター

次はサポーターの問題。

僕はエディオンスタジアムに何度も行き、サンフレッチェ広島をスタジアムで応援してきた。その中で感じたのが、広島サポーターには心温かい方が本当に多いということ。

降格圏争いの常連でJ2に降格することがあった時も、はたまた森保監督が監督に就任し、数々のタイトルを獲得しだしてからも驕ることなく一心に広島の選手たちを応援し続けてきた。
また、他チームのサポーターに比べてブーイングも少ない。

こういった広島サポーターが僕も大好きだったし、居心地が良かった。

しかし、選手の立場になって考えてみるとどうだろうか。

もちろん、温かい声援をしてくれるファンに感謝の気持ちを持っているだろう。しかし、どれだけ試合に負けても選手たちに野次を飛ばしたりブーイングすることがほとんどないサポーターと、試合に負けると一斉にブーイングを浴びせ、試合中でも選手がミスをすると大きなため息やブーイングが上がる。

どちらが選手にとって、「やるぞ!」とモチベーションを上げてくれる刺激的な環境になるだろうか。

僕は後者だと思う。

浦和レッズのサポーターは誰もが知っているようにとにかく熱狂的で、自分が応援するチームだろうと、だらしないプレーをする選手がいた時やチームが不調の時は問答無用でブーイングを浴びせる。

もちろん、一部には差別的な横断幕を掲げるなどの問題を起こすサポーターもおり、その点は反省しなければいけない。だがそれでも、平日休日・ホームアウェー問わずスタジアムに赴き熱狂的に応援してくれるサポーターがたくさんいること以上に、選手にとって励みになることはないだろう。

お金

そして、最後はやはりお金の問題だ。

チームの実力は、クラブの経営規模、つまり資金力に概ね比例している。

その中でも浦和レッズの資金力はJ1屈指だ。

浦和はその豊富な資金力で、移籍金の高いビック選手を数々獲得してきた。他クラブ(特に広島)にいた代表級の選手や実力のある外国人選手などを数多く。

お金のあるところに良い選手は集まるのだ。そういったレベルの高い選手たちに囲まれてサッカーをしたいと思うのは、プロサッカー選手として当然だと思う。

ただこれは、広島の選手のレベルが低いと言っている訳ではない。事実、広島は資金力では他クラブに劣りながらも、森保体制で確固たる"広島スタイル"を築き上げ4年間で3度ものJ制覇の偉業を成し遂げた。

だが、いくら優勝したところで、資金のなさが原因で広島が手放した選手はどれだけいるだろうか。最近だと2016シーズン得点王のピーター・ウタカ、その前はドウグラスなど。

いくら適材適所良い選手を獲得したところで、活躍すればその選手は他クラブの目に止まり、高額の移籍金で広島を去ってしまう。広島としては引き止めたいが、資金がないのでその選手に見合う年俸を提示できない。

  • いくら優勝しても山奥のスタジアムに観に来てくれる人やファンは一向に増えないし、新スタジアム建設の話は全く進んでいない。
  • いくら優勝しても資金力のなさから選手を手放さざるを得なく、チーム力は落ちる一方。

こういったチームにいるより、

毎年たくさんの実力のある選手が加入する浦和レッズで切磋琢磨しながら自分を高め、臨場感溢れる満員のサッカー専用スタジアムで熱狂的なファンが応援する中、広島時代とは比べ物にならないほど高い給料をもらいながらプレーする

ことに憧れるのも、冷静に考えたら普通のことだろう。

気持ちの変化

以上のことを考えると、認めたくはないが、広島にいた選手たちがこぞって浦和に移籍する理由が嫌でも分かってしまう。

ずっと同じ環境にいれば居心地はよくなるかもしれないが成長は止まる。だから、よりレベルの高いであろう新しい環境に飛び込んで挑戦したいと思うのは、高みを目指すサッカー選手にとって当然のことだ。

そして、広島を去って浦和に移籍した選手の気持ちを真剣に考えていたら、これまでずっと僕の心の中にあった、彼らに対して抱く「裏切り者」という気持ちが不思議と無くなってしまったのだ。そしてそれだけじゃなく、そんな彼らがいる浦和レッズを憎む気持ちも無くなってしまった。

今ではむしろ、そんな元広島の選手が多数在籍しチームの主力になっている浦和レッズを応援する気持ちさえ持てるようにもなった。広島が出場していないACLで浦和が勝ち進んでいるのを見ると嬉しい気持ちにもなる。

もちろん、だからといって広島ファンをやめた訳でもないし、広島と浦和が対戦するときには広島を全力で応援する。山奥にあるエディオンスタジアムにこれからも行き続ける。

僕自身、浦和に移籍してしまった選手の気持ちを考えもせず、「広島を裏切った」と被害者意識を持つばかりだった。しかしこれからは、憎むとかそういったくだらない感情ではなく、広島に立ちはだかる純粋なライバルとして、彼らを見続けていきたいと思う。

Sponsored Link

-スポーツ